「さくら薬局を辞めたいけれど、おすすめの転職先ってある？失敗しない転職方法も知っておきたい」
さくら薬局で働いている人の中には、親会社が事業再生ADRが心配で辞めたいと考えている人も多いでしょう。
でも転職先が決まらないと不安だし、転職で失敗したくないですよね。
- さくら薬局を辞めたいけれど、いきなり辞めるのは不安！
- おすすめの転職先にはどんなところがある？
- 薬剤師が失敗しない転職方法って？
などいろいろと気になるのではないでしょうか。
そこで、今回はさくら薬局で働く薬剤師の現状を解説していきます。
さらに、さくら薬局を退職した後のおすすめの転職先や失敗しない転職方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください！
- さくら薬局は全国に1000店舗以上ある大手薬局で売上は業界第3位
- 運営のクラフトは事事業再生ADRを申請し、事業再生中である
- 福利厚生は悪くないものの、今後倒産のほか人件費カットなどのリスクはある
- 転職するなら、高年収の他の調剤薬局や調剤薬局以外の勤務先などがおすすめ
- 転職に失敗しない方法は、薬剤師専門の転職エージェントの利用がおすすめ
- 資格・スキルの取得も転職に失敗しないために大切
さくら薬局を辞めたい！さくら薬局の現状を客観的に見るとやばい？
全国展開している大手薬局チェーンとはいえ、さくら薬局は事業再生の最中です。
正常な状態とは言えませんし、このまま薬剤師としてさくら薬局で働き続けるのはリスクがあるのではないでしょうか。
ここからは、さくら薬局の現状を客観的に説明していきます！
- さくら薬局とは？
- さくら薬局の運営元の問題とは？
- さくら薬局に今後起こりそうな問題は？
- さくら薬局の現在の給与や福利厚生は？
さくら薬局とは？
さくら薬局は、全国に1000店舗以上ある大手薬局チェーンです。
運営元の株式会社クラフトはM&Aによる積極的な店舗数拡大戦略を取り、2022年3月期において業界第3位の売上を誇っています。
さくら薬局の運営会社クラフトは、M&Aや新店開発で積極的な経営をしてきました。
調剤薬局だけではなく在宅介護での薬物治療を支援したり、オンラインで服薬指導をしたりなど地域に根差した薬局を目指しているようです。
2023年には「健康おくすり手帳」の公式アプリもリリースしています。
さくら薬局の運営元の問題とは？
ここまで見てみると、順調な経営を続けているように見えます。
ところが、クラフトの積極的な拡大戦略が裏目に出てしまっていいました。
新型コロナウイルス感染の爆発的な流行で患者数の減少と、大手調剤薬局グループを標的とした診療報酬改定（減額）が続き、資金繰りが悪化してしまったのです。
六本木、虎ノ門など都内一等地への出店もマイナス要素として働いてしまいました。
コロナ渦前までは、大きな病院の近くの調剤薬局で薬をもらうスタイルがほとんど。
ところが新型コロナ感染拡大のため受診を控えるなどで患者が激減したのです。
現在、クラフトは事業再生ADRを申請し、投資ファンドの日本産業推進機構(NSSK)の経営支援の協力を得ながら事業再生を模索しています。
しかしコロナ禍による患者数の急激な減少や、大手調剤薬局に不利な調剤報酬改定が続いたことで成長が鈍化し、資金繰りが悪化しています。
このような状況では、さくら薬局で働く薬剤師は不安ではないでしょうか。
さくら薬局に今後起こりそうな問題は？
さくら薬局は、日本産業推進機構(NSSK)から経営支援を受け、財務の健全化を目指しています。
事業再生ADRと聞くと、破産や倒産を連想しますが、すぐに会社がつぶれてしまうわけではありません。
新型コロナが5類に移行したことからも、感染リスクはあるものの世間が日常生活に戻りつつあるのも明るい兆しといえるでしょう。
ただ、事業再生に失敗してしまうと、倒産するリスクはあります。
もしクラフトが倒産してしまうと、日常的な会社業務は停止しなければなりません。
さくら薬局の従業員は破産手続きが終了するまでに解雇されることになるのです。
倒産は免れたとしても、リスクはなくなるわけではありません。
例えば、事業再生を成功させるために人件費の大幅なカットが必要となった際には、給料の減少や、賞与見送り、昇給なしなどの報酬減となってしまうこともあるのではないでしょうか。
事業再生中のさくら薬局で働く薬剤師には、これだけのリスクがあるのです。
さくら薬局の現在の給与や福利厚生は？
では、現在さくら薬局で働く薬剤師の待遇面はどうなっているのでしょうか。
転職サイトの薬キャリの情報を参考に、さくら薬局で働く薬剤師の平均給与を表にしました。
| 想定年収 | 月給 | |
| 全国総合（新卒） | 425万円〜 | 269,200円〜 |
| 地域（新卒） | 425万円〜 | 269,200円～ |
| エリア（新卒） | 406万円〜 | 253,000円〜 |
| 中途採用 | 405万円～550万円
（24〜30歳の場合） |
253,000円〜 |
新卒薬剤師の平均年収は約370万円といわれているので、さくら薬局の新卒薬剤師は平均よりもかなり高いことがわかります。
また中途採用でも30歳前後で、年収550万円はかなり高い水準といえるのではないでしょうか。
では、さくら薬局で働く薬剤師の福利厚生はどうでしょうか。
クラフト公式HPでは、福利厚生は以下のように紹介されています。
- 各種社会保険
- 薬剤師賠償責任保険
- 産前産後休暇、育児休業(該当子2歳になるまで)、育児短時間勤務(該当子小学校1年生修了時まで)
- がん保険、死亡・高度障害保障
- EAP(従業員支援プログラム)
- クラフトクラブオフ(レジャー施設などの社員優待制度)
- 社員懇親会費用補助、従業員割引
- 自社保養所、会員制リゾートホテル(エクシブ)
- 財形貯蓄、選択制確定拠出年金、退職金
- 借上社宅制度(一部対象者のみ/会社負担月額：家賃＋共益費の90％)など
かなり充実した福利厚生といえるのではないでしょうか。
しかし、何度も言うようですが、さくら薬局は事業再生中です。
財務の健全化がうまく進まない場合は、福利厚生は縮小される可能性もありえますので注意してください。
さくら薬局を辞めた場合おすすめの転職先は？
「やはり将来が不安なので、さくら薬局は辞めたい。でも、転職はどうしたらよいのだろう」
そう思う方も多いでしょう。
ここからは、転職におすすめの調剤薬局や勤務先について次の通り解説していきます！
- 年収のよい他の調剤薬局に転職する
- 年収の高い大手調剤薬局ランキング
- 調剤薬局以外の勤務先も視野に入れると良い
- 都心部と地方では地方の方が年収が高め
年収の良い他の調剤薬局に転職する
今までさくら薬局の調剤薬局で働いていた方は、まず他の年収の良い調剤薬局に転職することを検討してみてください。
同程度か年収が高くなるように転職したいですよね。
調剤薬局なら運営会社が変わったとしても、行う仕事内容には基本的に大きな変化はないでしょう。
そのため「仕事に慣れない」といったストレスはほとんどないはず。
さくら薬局のように経営破綻などの心配をするのはイヤ…という場合は業績のよい調剤薬局を探しましょう。
ただし年収高いからといって必ずしも働きやすいわけではありません。
福利厚生や育児休暇などもしっかりチェックしてくださいね。
年収の高い大手調剤薬局ランキング
ここでは、さくら薬局以外の年収が高い大手調剤薬局を紹介していきます。
転職の際の目安にしてください。
上位5社は以下の通りです。
| 順位 | 企業名 | 想定年収 |
| 1位 | 日本調剤 | 432万～832万円 |
| 2位 | クオール | 418万円～664万円 |
| 3位 | メディカルシステムネットワーク | 410万円～ |
| 4位 | スズケン | 406万円～613万円 |
| 5位 | アインホールディングス | 400万円～608万円 |
（引用元：薬キャリ）
いずれ、も薬剤師の全国平均年収の580万円を超えることが可能な想定年収となっていることがわかります。
特に日本調剤は、想定年収の上限が832万円となっており、かなりの高年収が期待できるのではないでしょうか。
ただし、ここに上がった調剤薬局グループはいずれも全国規模で出店しています。
そのため、高年収を目指す場合は、全国転勤可能などの制約があることに注視しなければなりません。
もちろん、さくら薬局も比較的高い年収であることは間違いないです。
それでもやはり、経営基盤の安定している同業他社の大手調剤薬局チェーン店への転職は、有効な解決方法ではないでしょうか。
調剤薬局以外の勤務先も視野に入れると良い
薬剤師の働く場所は調剤薬局だけではありません。
大学病院などの総合病院の薬剤部の病院薬剤師は、最先端の薬剤治療に触れることができることが大きな魅力です。
また、新薬の治験コーディネーターとして勤務したり、麻薬取締部に勤務したりする薬剤師もいます。
いずれもやりがいのある仕事ができるのではないでしょうか。
このように、調剤薬局以外にも薬剤師の資格を活かせる場所は意外と多くあるのです。
さくら薬局の場合、一生懸命働いたのに親会社は事業再生ADRを申請してしまいましたよね。
他の薬局で同じ目に合わないとも限りません。
調剤薬局の薬剤師として働くことに疲れてしまったら、思い切って別の職種で薬剤師の資格を活かすことも考えましょう。
都心部と地方では地方の方が年収が高め
また、人口が集中し、薬剤師の絶対数の多い都市部よりも少ない地方の方が収入があがりやすいということも転職先を選ぶ指標になります。
地方の薬局は、薬剤師の確保に頭を悩ませているのが実情です。
そのため、交渉次第ではかなりの高年収で働くことができるのではないでしょうか。
| 順位 | 都道府県名 | 平均年収 |
| 1位 | 栃木県 | 624万円 |
| 2位 | 福島県 | 608万円 |
| 3位 | 三重県 | 597万円 |
| 4位 | 広島県 | 591万円 |
| 5位 | 香川県 | 584万円 |
| 6位 | 兵庫県 | 581万円 |
| 7位 | 静岡県 | 578万円 |
| 8位 | 北海道 | 574万円 |
| 9位 | 島根県 | 570万円 |
| 10位 | 京都府 | 569万円 |
（引用元：厚生労働省 賃金基本統計調査）
上の表は都道府県別の薬剤師平均年収の上位10県です。
東京、神奈川、大阪などの大都市を抱える地域より、地方の都道府県の年収が高くなっていることがわかります。
独身で家族がいないなど、住む地域にこだわりがないのであれば、思い切って地方の薬局に転職してみるのもよいでしょう。
さくら薬局からの転職！失敗しない転職方法とは？
さくら薬局から転職するなら、失敗はしたくありませんよね。
ここからは、失敗しない転職方法を次の通りご紹介していきます。
- 薬剤師専門の転職エージェントを使う
- 自分の優先順位を明確にする
- エージェントに内部の情報を必ず尋ねる
- 資格やスキルをつけて自分を磨く
詳しく解説していきます。
薬剤師専門の転職エージェントを使う
転職する際、自分で薬局を探すのは難しいのが実情です。
一般企業の転職でも転職エージェントを使うのは当然となっていますが、薬剤師の転職でも薬剤師専門の転職エージェントを使うことをお勧めします。
なぜなら、薬剤師専門の転職エージェントは豊富な薬剤師転職案件と正確な企業情報を持っているからです。
転職エージェントは転職活動にあたって、こちらの希望に沿って的確なアドバイスをしてくれます。
また、転職エージェントは転職先との面談、交渉なども行ってくれるのです。
安心して転職活動を進めることができることも利点の一つといえるのではないでしょうか。
自分の優先順位を明確にする
転職エージェントに転職活動を支援してもらう際に、自分の希望を伝えることは非常に重要です。
例えば、高年収を優先する場合とワークライフバランスを優先する場合では、転職エージェントが推薦する企業も変わってきます。
また、小さいお子さんがいる場合などは、全国転勤や地方への転勤は難しい場合もあるでしょう。
このように、転職先を決める場合は、自分の希望をしっかりと転職エージェントに伝え、その上で自分の優先順位をそうするかを事前に決めておく必要があります。
エージェントに内部の情報を必ず尋ねる
転職先企業の内部の情報は、事前に転職エージェントに確認しておきましょう。
あなたの転職先が調剤薬局の場合、配属される店舗の人間関係が悪かったりすると、勤務するのはかなりのストレスになってしまいます。
また、離職者が多い企業であれば、何かしら問題がある場合があるといえるでしょう。
転職エージェントは、一定期間以上転職者が転職先に在籍しなければ、転職先から紹介料を受け取ることができません。
そのため、転職エージェントも問題のある企業に、転職者を紹介することはしたくないはずです。
あなたが検討している転職先の内部情報は、しっかりと転職エージェントに確認しましょう。
資格やスキルをつけて自分を磨く
薬剤師も立派な国家資格ですが、さらに専門性を高めた資格やスキルをつけることができます。
例えば、認定薬剤師はインターネットを介したE-ラーニングだけで所得可能ですし、ドーピングの防止などに関わるスポーツファーマシストという資格をとれば、アスリートのサポートをすることもできます。
このような認定資格をとれば、転職活動でも非常に有効です。
企業によっては、このような資格取得にかかる費用を援助してくれる制度をとりいれているところもありますので、確認してみるとよいでしょう。
まとめ
ここまで、さくら薬局で働く薬剤師が転職すべきであることを説明してきました。
年収はそれなりに高いものの、親会社の経営基盤が不安定なので、薬剤師としての勤務以外の不安が多いことは大きな負担ですね。
高年収で、経営基盤の安定している他の大手調剤薬局や、病院薬剤師などの転職も検討するとよいでしょう。
都市部にこだわりがなければ、高年収が期待できる地方勤務も検討してみてください。
その際は、薬剤師専門の転職エージェントを活用し、自分の優先順位をしっかりと伝えて転職先を決めるとよいです。
認定薬剤師などの資格取得も就職活動には有効です。
転職先を決めたら、転職エージェントから内部情報を必ず確認し、失敗しない転職を実現させましょう！