薬剤師の年収は低すぎる?低いと言われる理由や上げる方法を解説

薬剤師の年収は低すぎる?低いと言われる理由や上げる方法を解説

 

「薬剤師の年収は低すぎるの?低いと言われる理由や年収を上げる方法があるなら知りたい!」

 

薬剤師の年収は低すぎるのかなと、他の職種と比べて心配になる薬剤師の方は多いのではないでしょうか。

なぜ低いと言われるのか理由を明確にして、年収を上げる方法も知りたいですよね。

 

  • 薬剤師の年収は低すぎるって本当なの?
  • 薬剤師の年収が低いと言われる理由はなに?
  • 薬剤師の年収を上げる方法って何かあるのかな?

などいろいろなことが気になるのではないでしょうか。

 

そこでこの記事では薬剤師の年収が低いのか、なぜ安いと感じるのかを解説していきます。

また、年収をアップさせる方法なども紹介していますので、薬剤師の皆さんはぜひ参考にしてください!

 

この記事のまとめ
  • 薬剤師の年収は特に低すぎないが、勤務先や住んでいる場所によってバラつきがある 
  • 年収が低いと思う理由は、6年制大学で学ぶ必要があることがあげられる
  • 給与の上り幅が小さい、医師などと比べると差が大きいから点も理由
  • 年収アップを目指すなら資格取得や製薬会社など、年収の高い勤め先に転職する
  • 地方に引越すか薬剤師専門の転職エージェントに登録するのもあり
  • 今の職場で出世をする方法や自分で薬局を開く方法もある 

 

目次

薬剤師の年収は低すぎる?勤務先によってバラつきがあるのは事実

薬剤師の年収は低すぎる?低いと言われる理由や上げる方法を解説

 

では、薬剤師の年収は本当に低いのでしょうか。

ここでは、世間一般の平均年収と薬剤師の平均年収を比較し、本当に薬剤師の年収が低すぎるのかを検証していきます。

 

また薬剤師の勤務先ごとの平均年収についても紹介していますので、年収の低さに悩んでいる薬剤師の皆さんはぜひ参考にしてください!

 

  • 世間の平均年収
  • 製薬会社・病院・調剤薬局・ドラッグストア別平均年収
  • 都市部より地方?都道県別薬剤師の平均年収
  • 薬剤師の年収は低すぎるわけではないがバラつきがある

 

世間の平均年収

 

令和3年の賃金構造基本統計調査によれば、日本の平均年収は443万円です。

対して、日本の薬剤師全体の平均年収は580.5万円となっており、日本の平均年収よりもはるかに高いといえます。

 

事務職など一般的な職業に就いている方よりは年収は高めです。

 

製薬会社・病院・調剤薬局・ドラッグストア別平均年収

 

では同じ薬剤師でも働く場所によって、年収は変わるのでしょうか?

職種別の薬剤師の平均年収は以下の通りとなります。

 

職種 薬剤師の平均年収
ドラッグストア 約575万円程度
調剤薬局 約560万円程度
病院勤務 約508万円程度

 

薬剤師の職場別の年収を見ると、一般的にはドラッグストアと調剤薬局での年収が高い傾向があり、病院薬剤師の給料は薬剤師の中では低い水準にあることがわかります。

 

都市部より地方?都道県別薬剤師の平均年収

 

薬剤師は職種だけでなく、地域によって年収の差が大きい点も特徴です。

東京、大阪などの都市部よりも地方の薬剤師の方が年収が高くなる傾向があります。

 

以下は都道府県別の薬剤師年収ランキングになります。

 

ランキング 都道府県 年収
1位 山口県 667.1万円
2位 香川県 652.9万円
3位 茨城県 649.2万円
4位 滋賀県 639.6万円
5位 石川県 638.2万円
6位 埼玉県 619.6万円
7位 富山県 617.7万円
8位 島根県 612.9万円
9位 山梨県 608.1万円
10位 栃木県 607.4万円
11位 愛知県 606.6万円
12位 岐阜県 606.3万円
13位 千葉県 605.5万円
14位 群馬県 605.2万円
15位 高知県 603.1万円
16位 福岡県 600.9万円
17位 神奈川県 599.8万円
18位 青森県 599.5万円
19位 静岡県 597.0万円
20位 東京都 594.3万円
21位 福井県 590.5万円
22位 沖縄県 587.6万円
23位 三重県 587.5万円
24位 広島県 587.4万円
25位 岩手県 586.0万円
26位 北海道 582.5万円
27位 奈良県 576.3万円
28位 宮城県 564.0万円
29位 鳥取県 560.2万円
30位 京都府 559.2万円
31位 秋田県 547.9万円
32位 新潟県 545.9万円
33位 鹿児島県 543.6万円
34位 愛媛県 541.5万円
35位 兵庫県 541.2万円
36位 和歌山県 537.8万円
37位 大阪府 537.1万円
38位 長野県 527.5万円
39位 熊本県 525.9万円
40位 福島県 525.2万円
41位 大分県 521.8万円
42位 長崎県 514.4万円
43位 徳島県 504.4万円
44位 佐賀県 502.7万円
45位 岡山県 500.2万円
46位 宮崎県 493.6万円
47位 山形県 477.7万円

 

ご覧の通り、トップは山口県であり20位の東京とは約70万円も高くなっています。

 

薬剤師の年収は低すぎるわけではないがバラつきがある

 

これまで見てきたように薬剤師の年収は日本の平均年収と比べても低すぎるわけではありません。

しかし、勤務場所や地域、職種によってバラつきがあるのは事実です。

 

特に、病院に勤務する薬剤師は年収が低くなる傾向にあります。

調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師と比べると低く感じてしまうかもしれません。

 

薬剤師の年収が低いと言われるのはなぜ?かかった学費と比べている?

薬剤師の年収は低すぎる?低いと言われる理由や上げる方法を解説

 

では、薬剤師はなぜ年収が低いと感じてしまうのでしょうか。

ここからは、薬剤師がなぜ年収を低く感じてしまうのかを紹介していきます!

 

  • 6年生大学で学ばないといけないから
  • 給与の上り幅が小さいから
  • 医師などと比べると差が大きいから

 

6年生大学で学ばないといけないから

 

現在、薬剤師になるためには、薬剤師国家試験に合格する必要があります。

薬剤師国家試験の受験資格を得るためには、6年制の薬学部か薬科大学を卒業しなければなりません。

 

6年生の大学といえば、医学部や歯学部、獣医学部と同じです。

以前は薬学部は4年制でしたが、2006年度からは薬剤師養成過程の薬学部も6年制となりました。

 

最短で4年間通えば薬剤師になれていたのが、6年間になったので学費も1.5倍かかってしまいます。

私立大学の薬学部は6年間の学費がおよそ1200万円前後となりますので、かなりの費用が必要になるのです。

 

学生の生活環境によっては、学費の捻出を奨学金に頼ることになります。

一人暮らしをするとなると、家賃や生活費もかかってしまうため大きな負担を感じる家庭も多いはず。

 

就職してからの奨学金返済も負担になるので、かかった学費に対して薬剤師として得られる収入を少なく感じる場合もあるようです。

 

給与の上り幅が小さいから

 

薬剤師の職場は昇給しにくい環境です。

仕事自体は病棟薬や処方箋薬の調剤、服薬指導が主な仕事であり、どの薬剤師でもほぼ同じ作業となるので長く務めたからといって大幅な昇給が期待できるわけではありません。

 

給料の上がり幅が大きくなる瞬間としては、出世、管理職などの役職への昇進が挙げられます。

例えば、病院薬剤師の管理職には薬剤部長や薬剤主任があげられますが、ポスト数が少ないです。

 

同じ管理職でも調剤薬局であれば店ごとに管理薬剤師がいるのに対し、病院薬剤師での管理職は病院内に数えるほどしかないでしょう。

ただ、管理職は同じ病院で10年、20年と長く勤めた人がつくケースが多いので、病院に残り管理職を目指すのはかなりの忍耐を必要とするのではないでしょうか。

 

また、調剤薬局では管理薬剤師やエリアマネージャーなどへの就任が挙げられます。

大手調剤薬局グループであれば、病院よりは管理職のポストは多いので、昇給は見込めるかもしれません。

 

ドラッグストアでも同様ですが、コロナ禍では会社自体の存続がかかっている場合は上がり幅が小さくなるもの。

さらにライバル会社に吸収されたり、M&Aされたりで、従業員の給与は下げられたりするケースもあるようです。

 

医師などと比べると差が大きいから

 

他の6年制の大学卒業が必須となる医療従事者と薬剤師の平均年収を比較してみました。

 

医療従事者 平均年収
医師 約1428万円
歯科医師 約810万円
獣医師 約686万円
薬剤師 約580万円

 

このように、同じ6年制でも、医師や歯科医師とくらべると、かなり年収は低いです。

それこそ、同じ6年制の学部に行くなら、医学部や歯学部に行った方がよいと考えるのも当然でしょう。

 

薬剤師が年収を上げるためにできることは?資格取得や転職など

薬剤師の年収は低すぎる?低いと言われる理由や上げる方法を解説

 

薬剤師は医師と同じく6年制の大学を卒業しなければなることのできない職業であるにもかかわらず、年収は大幅に低いことがわかりました。

いまさら医学部に通いなおすわけにもいきませんから、薬剤師として年収をあげる方法を考えることが大切です。

 

認定薬剤師の資格を取って手当を増やしたり、より好条件を提示する企業に転職したりすることで、年収を上げる方法はあります。

ここからは、どのように薬剤師として年収を上げていくかを詳しく解説しましょう。

 

  • 資格を積極的に取得する
  • 製薬会社など、年収の高い勤め先に転職する
  • 地方に引越す
  • 薬剤師専門の転職エージェントに登録する
  • その他の方法 

 

年収を上げていく方法を知りたい薬剤師の方は、ぜひ参考にしてください!

 

資格を積極的に取得する

 

薬剤師で年収を上げたいのであれば、認定薬剤師や専門薬剤師などの専門資格を取得する必要があります。

資格を取得すれば、管理業務や人材育成などを任されることも多くなるでしょう。

 

勤務する会社の規定によっては、資格手当をもらえることもありますし、なにより管理職への昇進の可能性が高くなります。

また、5年以上の薬剤師経験がある人は、薬学生の指導ができる認定実務実習指導薬剤師の取得を目指しましょう。

 

病院や調剤薬局では薬学実習の受け入れに積極的ですので、認定実務実習指導薬剤師の資格は重宝されることは間違いありません。

若手の育成というやりがいのあるポジションに加え、指導力やコミュニケーションスキルが磨かれるので、社内での昇進や、条件の良い企業への転職に有利になるのではないでしょうか。

 

その他にも、小児薬物療法認定薬剤師・がん専門薬剤師・漢方認定薬剤師・在宅療養支援認定薬剤師など、薬剤師にはさまざまな専門分野の認定資格があります。

このような専門薬剤師の資格を取得すれば、勤務する企業での出世や他企業への好条件での転職など、自分の可能性を高めることができるでしょう。

 

製薬会社など、年収の高い勤め先に転職する

 

薬剤師の就職先は、病院や調剤薬局、ドラッグストアなど調剤、服薬指導をするところだけとは限りません。

薬剤の知識など、高度な専門性を活かして、製薬企業などへの転職を検討しても良いかもしれません。

 

以下は大手製薬企業の平均年収の表です。

 

社名 平均年収 平均年齢 平均勤続年数 従業員数(単体) 従業員数(連結) 売上高(連結) 決算期
第一三共 1126.7万円 42.9歳 18.6年 5600人 15348人 9817.93億円 2020年3月期
武田薬品工業 1091.1万円 42.2歳 15年 5350人 47495人 32911.88億円 2020年3月期
アステラス製薬 1088.9万円 42.9歳 17.3年 4560人 15883人 13008.43億円 2020年3月期
エーザイ 1037万円 44.4歳 19.4年 2953人 10998人 6956.21億円 2020年3月期
中外製薬 1017.3万円 43.1歳 16.8年 4848人 7394人 6861.84億円 2019年12月期

 

製薬企業には、医薬品の研究開発やMRなど色々な職種があり、薬剤師の資格が必要でない職種もあります。

しかし、薬学部や病院、調剤薬局で得た高い専門性は製薬企業というフィールドでも活かせるはずです。

 

表を見ればわかるように、病院や調剤薬局、ドラッグストアで得られるような収入よりも、製薬企業でははるかに高収入です。

薬剤師であることに強いこだわりがないのであれば、思い切って製薬企業に転職するのも良いのではないでしょうか。

 

地方に引越す

 

人口が集中し、薬剤師の絶対数の多い都市部よりも少ない地方の方が収入があがりやすいということも転職先を選ぶ指標になります。

地方の薬局や病院は、薬剤師の確保に頭を悩ませているのが実情です。

 

そのため、交渉次第ではかなりの高年収で働くことができるのではないでしょうか。

また、大手ドラッグストアや大手調剤薬局では、全国転勤可能な社員は高年収で転職できる可能性が高くなります。

 

独身で家族がいないなど、住む地域にこだわりがないのであれば、思い切って地方の薬局に転職してみるのもよいでしょう。

 

薬剤師専門転職エージェントに登録する

 

年収をアップするための転職をするなら薬剤師専門の転職エージェントへの登録がおすすめです。

自分の力だけで転職するとなると、情報源が企業の採用ページなどにどうしても限られてしまいます。

 

薬剤師専門の転職エージェントなら多くの求人の他に「非公開求人」を持っている点がメリット。

自分だけで探すよりもずっと効率的です。

 

希望する年収の他、「ドラッグストア」「調剤薬局」など条件なども伝えればマッチする転職先を探してくれます。

薬剤師専門の転職エージェントも複数登録しておけば、それだけ選択肢も増えていくでしょう。

 

転職に不慣れな方には、面接のサポートなどもあります。

年収などの交渉も、薬剤師専門の転職エージェントがやってくれるので安心です。

 

その他の方法 

 

自分の勤務する職場で地位をあげる、つまり出世するという方法も年収をあげる手段といえるでしょう。

例えば、調剤薬局やドラッグストアでは、管理薬剤師→エリアマネージャーと出世し、さらに上の経営幹部などに抜擢されると、1000万円以上の年収も狙えます。

 

ただし、このクラスになると、薬剤師としての力量よりもマネージメントや対外交渉力などのビジネススキルが求められます。

現場の薬局で働くよりも、新規出店の交渉や、門前医院のDr誘致、ライバル企業のM&A交渉など、より大きなステージでの仕事が増えることになるでしょう。

 

薬剤師としてよりもビジネスマンとしての仕事にやりがいを感じる方は、挑戦する価値はあるのではないでしょうか。

もう一つの高収入の方法としては、自分の薬局を作って独立するという方法があります。

 

自分で薬局を開き、人気の処方元を確保できればかなりの収入になるのではないでしょうか。

また、施設や在宅などを引っ張ることができれば、地域体制加算などの取得要件も満たし、さらなる技術料の増加も見込めます。

 

雇われるより雇う側に立ちたいというような、バイタリティーあふれる薬剤師の方は、独立を視野に入れてもよいかもしれません。

 

まとめ

薬剤師の年収は低すぎる?低いと言われる理由や上げる方法を解説

 

この記事では、薬剤師の年収について解説してきました。

薬剤師は、日本の平均年収よりはるかに高いものの、同じ6年制大学を卒業しなければならない医師よりも圧倒的に低いです。

 

また、昇給もしにくい職種なので、薬剤師は年収が低いと思いがちです。

薬剤師の年収をあげるためには、資格を取得したり、製薬会社など多職種への転職を検討するとよいでしょう。

 

転職には薬剤師専門の転職エージェントの利用がおすすめです。

薬剤師の少ない地方への転職も年収を上げる方法としては効果的ですよ。

 

あえて転職せず、今の会社で経営幹部を目指したり、自分の薬局を立ち上げて独立するのもよいかもしれません。

自分にとって最適の方法で年収アップを目指してみませんか。

 

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