「病院薬剤師は給料が安すぎる!今より給料が高いところってもうないのかな?」
病院薬剤師は給料が安すぎると悩んでいる薬剤師の方もいるのではないでしょうか?
今より給料が高いところがあれば、転職したいと思いますよね。
- 病院薬剤師は給料が安すぎてつらい!
- どうして病院薬剤師は給料が安いの?
- 今より給料が高いところがあれば転職したい!
など、転職したい病院薬剤師の方は、いろいろなことを知りたいのではないでしょうか?
ここでは、病院薬剤師が調剤薬局やドラッグストアの薬剤師と比べても給料がなぜ安いのかを解説していきます。
また、年収をアップさせる転職方法なども紹介していますので、病院薬剤師の皆さんはぜひ参考にしてください!
- 病院薬剤師の給料・年収には半数以上が不満を持っており、実際に他業種の薬剤師に比べて低い
- 病院薬剤師は管理職ポストが少なく昇給・昇格しづらいのも年収が低い理由
- 経験のために入職する薬剤師や新卒薬剤師の比率が高く、給与水準が低いなども理由
- 転職するなら、認定薬剤師や専門薬剤師などの資格を取得するのもおすすめ
- 管理職ポジションが空いている病院にや、国公立病院、地方の病院に転職したりするのもあり
- 病院薬剤師の転職は、薬剤師特化型の転職サイト・エージェントを利用するのがおすすめ
病院薬剤師の給料が安いと感じているのはあなただけじゃない!
では、病院薬剤師は実際に給料は安いのでしょうか。
ここでは、病院、調剤薬局、ドラッグストアそれぞれの薬剤師の年収を比較していきます!
- 病院薬剤師の給料・年収には半数以上が不満を持っている
- 病院薬剤師と調剤薬局など他業種の薬剤師の平均年収比較
病院薬剤師の給料・年収には半数以上が不満を持っている
マイナビ薬剤師によれば、病院薬剤師は、自らの年収の満足度についてこう思っているようです。
- とても満足(0%)
- まあ満足(26%)
- どちらでもない(23%)
- やや不満(32%)
- とても不満(19%)
「やや不満」と「とても不満」を合わせると、半数を超えます。
また、満足という人も「まあ満足」にとどまっており、「とても満足」と答えた人は一人もいませんでした。
このデータからも、病院薬剤師は年収に満足できる職業ではないことがわかるのではないでしょうか。
病院薬剤師と調剤薬局など他業種の薬剤師の平均年収比較
ここからは、病院薬剤師の平均年収と他業種の薬剤師の平均年収を比較していきましょう。
マイナビ薬剤師の調査によれば、病院薬剤師の平均年収は521.7万円です(平均年齢:42.1歳)。
それに対して、調剤薬局やドラッグストアで働く薬剤師の平均年収は583.8万円(平均年齢:41.6歳)です。
また、政府統計によると薬剤師全体の平均年収は5,825,075円なので、病院薬剤師の給料は、薬剤師の中では低い水準にあることがわかります。
病院薬剤師の平均年収 | 調剤薬局薬剤師の平均年収 |
521.7万円(平均年齢:42.1歳) | 583.8万円(平均年齢:41.6歳) |
なぜ病院薬剤師の年収は低いのか?
責任の大きい業務を任されながらも、病院薬剤師の給料は決して高くありません。
ここからは、病院薬剤師の年収がなぜ低いのかを紹介していきます!
- 管理職ポストが少なく昇給・昇格しづらいから
- 給料が安くても経験のために入職する薬剤師が多いから
- 新卒薬剤師の比率が高く給与水準が低いから
- 非営利目的の病院は黒字になるほど利益がない場合が多いから
管理職ポストが少なく昇給・昇格しづらいから
病院薬剤師の管理職には薬剤部長や薬剤主任があげられますが、ポスト数が少ないのです。
同じ管理職でも、調剤薬局であれば店ごとに管理薬剤師がいるのに対し、病院薬剤師での管理職は病院内に数えるほどしかないでしょう。
一般的に、薬剤師は役職につくと収入アップが見込めます。
ただ、管理職は同じ病院で10年、20年と長く勤めた人がつくケースが多いのです。
そのため、病院に残り管理職を目指すのはかなりの忍耐を必要とするのではないでしょうか。
給料が安くても経験のために入職する薬剤師が多いから
病院薬剤師は最先端の医療に触れることができ、臨床医療やチーム医療に携われることがやりがいといえるでしょう。
特に大学病院などは最先端の治療にも携わりますので、薬剤師としての知識を深めることもできます。
病院薬剤師になる人は、経済面よりも薬剤師としての知識を深めることを優先する傾向にあるのです。
比較的低い給料でも、まずはやりがいを優先する薬剤師が多いので、病院薬剤師はどうしても給料が低いといえるのではないでしょうか。
新卒薬剤師の比率が高く給与水準が低いから
病院薬剤師は全国の薬剤師の平均年収より低いのです。
そのため、病院薬剤師は離職率が高いのが特徴で、一般的に病院薬剤師の離職率は50%を超えるといわれています。
最初はやりがいに魅力を感じて病院薬剤師になったとしても、心身にストレスを抱える場合が多いのです。
急性医療を支えるプレッシャーや夜勤、当直などの激務はストレスの原因になるでしょう。
また、年収も大きく増える見込みもなかなか立たないため、結婚や出産などの家庭環境の変化もまた離職の原因となります。
このようなことから、病院は新卒薬剤師や若手薬剤師の比率が高くなる傾向にあり、必然的に年収も低下するのです。
非営利目的の病院は黒字になるほど利益がない場合が多いから
病院や医療法人は非営利が前提とされていることも、病院薬剤師の給料があがらない要因といえるでしょう。
医療法に定められているとおり、病院は非営利性を保つ必要があります。
一般民間企業のように、生み出した利益を従業員に反映させるような仕組みになっていません。
もちろん雇用条件に定められた昇給はありますが、急激に収入が増えたりボーナスが増額されたりということはないのです。
また、調剤、服薬指導で薬剤費に技術料を載せることのできる調剤薬局と違い、病院での服薬指導は診察料に内包されています。
つまり、病院内薬局で技術料を追加するのは限度があるのです。
そのため、病院の利益を薬剤師に還元するのは難しいといえるのではないでしょうか。
病院薬剤師はどこも給料が低い?給料の高いところはないの?
では、病院薬剤師が年収をあげるにはどうすればよいのでしょうか。
結論からいえば、病院薬剤師で年収をあげるよりも、手っ取り早く調剤薬局やドラッグストアに転職する方がはるかに効率的です。
病院薬剤師で年収を上げようとすると、役職につかなければなりませんが、ポストに空きがないと無理なのが実情です。
その点、調剤薬局業界では大手の調剤薬局グループは店舗数を増やし続けています。
薬剤師としてしっかり経験を積んでいれば管理薬剤師に抜擢されるチャンスも多く、すぐに病院薬剤師時代の年収を超えることができるでしょう!
病院薬剤師が今より給料の高いところに転職するためにできること
病院薬剤師の皆さんの中には、このやりがいのある環境の中で収入を増やしていきたいという人もいるのではないでしょうか。
ここからは、病院薬剤師にこだわって収入を上げていく方法を紹介します!
- 認定薬剤師や専門薬剤師などの資格を取得する
- 管理職ポジションが空いている病院に転職する
- 地方の病院に転職する
- 国公立病院や安定的に黒字経営の病院に転職する
- 年収交渉可能な薬剤師特化型の転職サイト・エージェントを利用する
認定薬剤師や専門薬剤師などの資格を取得する
病院薬剤師で年収を上げたいのであれば、認定薬剤師や専門薬剤師などの専門資格を取得する必要があります。
資格を取得すれば、管理業務や人材育成などを任されることも多くなるでしょう。
病院の規定によっては、資格手当をもらえることもありますし、なにより管理職への昇進の可能性が高くなります。
また、5年以上の薬剤師経験がある人は、薬学生の指導ができる認定実務実習指導薬剤師の取得を目指しましょう。
病院は薬学実習の受け入れに積極的ですので、認定実務実習指導薬剤師の資格は重宝されることは間違いありません。
若手の育成というやりがいのあるポジションに加え、指導力やコミュニケーションスキルが磨かれるので、院内での昇進や、条件の良い病院への転職に有利になるのではないでしょうか。
その他にも、小児薬物療法認定薬剤師、がん専門薬剤師、漢方認定薬剤師や在宅療養支援認定薬剤師など、薬剤師にはさまざまな専門分野の認定資格があります。
このような専門薬剤師の資格を取得すれば、勤務する病院での出世や、他病院への好条件での転職など自分の可能性を高めることができるでしょう。
管理職ポジションが空いている病院に転職する
他病院で管理職ポジションされている場合、思い切って応募するのもいいでしょう。
ただし、薬剤部長などの病院薬剤部の主要ポストは同じ病院で10年、20年と長く勤めた人がつくケースが多いので、募集はあまり見かけないのが実情です。
また、募集されていたとしてもかなり狭き門であることは覚悟して下さい。
地方の病院に転職する
薬剤師は地域によって年収の差が大きいです。
東京、大阪などの都市部よりも地方の薬剤師の方が年収が高くなる傾向があります。
都道府県別の薬剤師の平均年収の上位5件を見てみましょう。
順位 | 都道府県 | 平均年収 |
1 | 山口県 | 667.1万円 |
2 | 香川県 | 652.9万円 |
3 | 茨城県 | 649.2万円 |
4 | 滋賀県 | 639.6万円 |
5 | 石川県 | 638.2万円 |
参考 | 全国平均 | 580.5万円 |
このように、地方部の薬剤師の年収は実際に全国平均より高い傾向があることがわかります。
僻地医療など、薬剤師が少ない地域の病院では年収が高くなる傾向があるので、住む地域にこだわらないのであれば、地方病院への転職も検討してみましょう。
国公立病院や安定的に黒字経営の病院に転職する
同じ病院でも民間病院より国公立病院の方が年収が高くなりやすいことはご存知でしょうか。
民間病院は、病院の経営状態によって薬剤師の給料は左右されるのに対し、国公立病院で働く薬剤師は公務員扱いとなるため、毎年決まった昇給は必ず行われます。
国公立病院で勤務する薬剤師は、コンスタントな昇給は約束されていることは大きな魅力といえるでしょう。
しかしながら、国公立病院の初任給は月25万程度といわれており、薬剤師としては低い水準です。
コンスタントな昇給があるとはいえ、すぐに高年収が約束されているわけではないことに注意してください。
病院薬剤師として働くなら、国公立病院がおすすめですが、黒字経営の続いている民間病院であれば検討する価値はあります。
国公立病院は、コンスタントな昇給は見込めますが、大幅な年収アップは難しいでしょう。
しかしながら、経営が好調な民間病院であれば、従業員の待遇も良くなりますので、昇給やボーナス増額などの恩恵を受けることができるかもしれません。
年収交渉可能な薬剤師特化型の転職サイト・エージェントを利用する
ここまで、病院薬剤師の給料が安いことや、年収を上げる方法について紹介してきました。
今の病院で薬剤師を続けて出世を目指すのもいいですし、より良い条件を求めて転職を目指すのもいいでしょう。
今の環境を変え、転職に挑戦するときはぜひ薬剤師専用の転職サイトを使ってください。
あなた専属の転職エージェントが、親身にあなたの相談に乗ってくれますし、エージェントしか知らない希望する病院や調剤薬局の内部事情も教えてくれるはずです。
また、エージェントを介して、年収の交渉をすることもできます。
あなたの労働環境をよりよくしてくれるため、転職エージェントはきっと力になってくれるはずです。
転職サイト・エージェントの選び方
薬剤師専門の転職サイトやエージェントは複数あるので、どこかいいか迷ってしまいますよね。
- 自分の希望する働き方や転職先に合った転職サイトやエージェントを選ぶ
- 求人数・非公開求人数が多いところを選ぶ
- 複数のサイトやエージェントに登録するとよい
- 口コミもチェックする
- 不安ならサポート体制が手厚いサイトやエージェントを選ぶ
まずは、自分の働き方や調剤薬局など希望する転職先に合ったサイトやエージェントを選びましょう。
同じ薬剤師の仕事を扱っていても、「派遣に強い」「ドラッグストアに強い」など特色があるのです。
求人数が多いところを選ぶとそれだけ選択肢が増えます。
非公開求人を多く持っているサイトもおすすめです。
さらに選択肢を増やすためにも、複数の転職サイトやエージェントに登録しておくといいですね。
実際に転職サイトやエージェントを利用した人の口コミもチェックしましょう。
自分と同じようなキャリアや希望を持った人が、どのようにサイトやエージェントを使ったかも参考になりますよ。
初めて転職する方なら、サポートが手厚いサイトやエージェントを選ぶと安心です。
専属のコンサルタントが、面接対応や履歴書の書き方もアドバイスしてくれるところもおすすめですよ。
薬剤師に特化した転職サイトやエージェントと二人三脚で、あなたにとっての最適な職場を探してください。
まとめ
病院薬剤師の給料は決して高くはありません。
手っ取り早く年収を上げたいのであれば、調剤薬局やドラッグストアなどの他業種への転職をおススメします。
どうしても病院薬剤師として年収を上げたいのであれば、各種専門薬剤師の資格をとり、管理職を目指せる環境を整えていきましょう。
国公立病院や、地方の病院への転職も検討しましょう。
めったに出ないですが、病院で管理職の募集があれば、応募してみるのもよいでしょう。
転職を決断する時は、ぜひ薬剤師特化型の転職サイト・エージェントを利用してください!
年収を上げる交渉もしてくれますし、内部情報なども伝えてくれるので活用しましょう。