「ドラッグストアの薬剤師はきついからやめたほうがいいって本当なの?向いている人はどんな人?」
ドラッグストアの薬剤師はきついからやめた方がいいと聞いて、不安に思っている薬剤師の方もいるのではないでしょうか。
実際どういう人が向いているのかも気になりますよね。
- ドラッグストアの薬剤師はきついからやめた方がいいの?
- ドラッグストアの薬剤師に向いているのはどんな人?
- ドラッグストアの薬剤師ってどんな仕事しているの?
など、いろいろと知りたいことがあるのではないでしょうか?
そこで今回は、実際にドラッグストアで薬剤師として働くことがきついのかどうかを説明していきます。
ドラッグストアの薬剤師に向いている人はどんな人かも紹介していますので、ドラッグストアへの転職を検討している人は参考にしてみてください!
- 一般のお客さんの対応も必要で、品出しなど肉体労働が多いのもドラッグストアの薬剤師がきつい理由
- シフト制のため労働時間が不規則で、休日が少ない点もきつく感じる
- 薬剤師が店舗に一人で頼れる相手がいないことや、会社や店舗によってはノルマがある場合もきつい
- ドラッグストアの薬剤師に向いているのは、社会人として幅広い仕事を経験したいと思っている人
- 体力に自信がある人や、接客業が得意・コミュニケーション能力が高い人も向いている
- 責任感が強く、主体的に一人前の薬剤師として活躍したい人にも向いている
ドラッグストアの薬剤師はきつい?やめたほうがいい?
では、ドラッグストアの薬剤師はきついので、転職はやめておいた方が良いのでしょうか。
病院や調剤薬局で働く薬剤師と比べると、業務の内容は多彩なのできついところもあるかもしれません。
では、ドラッグストアで薬剤師として働くのがきついのかどうか次のポイントを考察していきましょう!
- 病院や調剤薬局に比べきついと言われることが多い
- ただ薬剤師としてだけでなく社会人として身につくスキルも多い
- やめたほうがいいかどうかは本人が仕事に求めるやりがい次第
病院や調剤薬局に比べきついと言われることが多い
ドラッグストアの薬剤師がきついと言われることが多いのは、仕事内容や勤務時間が関係しているのです。
病院や調剤薬局で働く薬剤師は、ドラッグストアで働く薬剤師と比べると、規則的な生活を送ることができます。
夜勤や当直がないところであれば、一般的に病院や調剤薬局での勤務時間は、平日は9時~18時まで、土曜は半日、日祝は休みになるところが多いです。
それに対し、ドラッグストアは営業時間も長く、土日祝も営業しているところがほとんどなので生活リズムを整えるのが難しいといえます。
さらにドラッグストアで働く薬剤師は、調剤や服薬指導だけでなくいろいろな仕事をこなさなければなりません。
土日もドラッグストアは営業していますので、休みも取りづらいのではないでしょうか。
そう考えると、ドラッグストアの薬剤師は病院や調剤薬局で働く薬剤師よりもきついといえるのではないでしょうか。
ただ薬剤師としてだけでなく社会人として身につくスキルも多い
では、ドラッグストアで働くメリットはないのでしょうか。
病院や調剤薬局は環境が閉鎖的で、仕事の内容も薬に関することがメインで、なかなか外部と接する仕事が少ないといえます。
ドラッグストアでは、薬剤師以外にも美容部員やバイヤーなど医療関係者以外とも多くの接点を持ちます。
店舗全体の売り上げ目標を達成するために、時には薬剤師も医薬品と関係ない商品の販売や陳列、接客も任されます。
医薬品以外の商品についての見識も深めねばならず、業務内容は多岐にわたるでしょう。
処方箋を持ってくるのではなく、市販薬を求めるお客さんと直接対応する機会はありません。
しかし、その経験は薬剤師として仕事をするだけでは得られないはずです。
部門の垣根を越えて、多くの業務を助け合ってこなしていくことで、社会人としてのビジネスマナーや見識を深めることができます。
ドラッグストアで働くことで、あなたは社会人として身に着けるべきスキルを取得することができるのです。
やめたほうがいいかどうかは本人が仕事に求めるやりがい次第
このように、ドラッグストアで働くことにやりがいを感じることができれば、きついとは思わなくなるでしょう。
いろいろな人と接したい、他の業界についても知識を増やしたいと思う人なら、むしろドラッグストアの薬剤師はやりがいがあると思うかもしれません。
結局は、自分がどういう薬剤師になりたいかで、ドラッグストアで働くべきかどうかを決めるべきなのです。
ドラッグストアの薬剤師がきついと言われる理由
では、ドラッグストアで働く薬剤師がきついといわれる理由は、以下のようなことがあげられます。
- 調剤や処方箋以外にもやるべき仕事が多いから
- 処方箋だけでなく一般のお客さんの対応も必要
- 品出しなど肉体労働が多いから
- シフト制で労働時間が不規則だから・休日が少ないから
- 薬剤師が店舗に一人で頼れる相手がいないから
- 会社や店舗によってはノルマがある場合があるから
ここからは、それぞれの理由について解説し、どうしてきついと思うのかを考えていきましょう!
調剤や処方箋以外にもやるべき仕事が多いから
ドラッグストアで働く薬剤師は、店舗に併設している調剤薬局で働く場合が多いです。
そのため、ドラッグストアの薬剤師も、受け取った処方箋の調剤と服薬指導が主な仕事となります。
しかし、ドラッグストアで働く薬剤師の仕事は調剤と服薬指導だけではありません。
第一類医薬品などの医薬品や、その他OTC、サプリメントなどの健康食品の陳列、販売なども薬剤師の仕事です。
処方箋だけでなく一般のお客さんの対応も必要
病院や、調剤薬局ではお客はすべて患者様ですが、ドラッグストアではそうではありません。
お客の普段の健康維持にも貢献し、セルフメディケーションを推進することもドラッグストアの薬剤師の仕事です。
ビタミン剤やサプリを求める人、市販の胃腸薬や頭痛薬に不安を持っている人に対してわかりやすく説明するなども仕事になります。
さまざまな商品知識も求められる場合もあるはずです。
処方箋だけに向き合いたいという薬剤師には、ドラッグストアは業務量が多いと感じてしまうでしょう。
接客が得意でない人にとっては負担も大きくなります。
品出しなど肉体労働が多いから
ドラッグストアでは、医薬品だけでなくいろいろな商品を販売しています。
重たいペットボトルのドリンク類、洗剤などの商品も多彩です。
近年は大容量の詰め替え洗剤も多いので、運ぶのも一苦労かもしれません。
薬剤師であっても他の店員と同様に、商品補充など雑務の面で体力を使うことが多いようです。
特に女性にとっては、重い商品を運んだり、棚に陳列したりと体力の負担が大きく、「きつい」と思う方もいるのではないでしょうか。
シフト制で労働時間が不規則だから・休日が少ないから
ドラッグストアは、朝から深夜まで営業しており、土日祝も開いています。
実際の勤務はシフト制になりますので、早番の日や夜勤の日など勤務時間が不規則になりがちです。
また休日はあるものの週末に必ず休めるわけではないので、プライベートを充実させにくい方にはきついと感じるかもしれません。
病院薬剤師や一般のサラリーマンをしている友人や恋人と、スケジュールはなかなか合わないでしょう。
子どもがいる人は、運動会など土日に開催されることの多いイベントに行きにくい場合もあります。
薬剤師が店舗に一人で頼れる相手がいないから
ドラッグストアの薬剤師は、店舗によっては「一人薬剤師」で働かなければならない場合があります(一人薬剤師:店舗に薬剤師が一人のみで業務を行わなければならない状態)。
特に、人員が少ない地方の店舗では一人薬剤師の店舗が多いのです。
通常、処方箋をもとに患者様にお薬をお渡しする場合、調剤する薬剤師とそれを監査する薬剤師は別にして、二重に確認することが重要だといわれています。
しかし、一人薬剤師の店舗では自分ひとりで調剤し、服薬指導をする必要があるのです。
何度も確認したとしても思い込みなどにより、一人薬剤師の店舗では調剤ミスの可能性が高い傾向にあります。
人の健康にかかわることなので、かなり慎重に実施しなくてはいけません。
一人薬剤師に抵抗のある方には、ドラッグストアの薬剤師はきついと感じるかもしれませんね。
会社や店舗によってはノルマがある場合があるから
ドラッグストアグループの方針や店長の考え方によっては、薬剤師にもノルマを求められることがあるのです。
患者様やお客様と接することが好きな人にとっては、販売数などのノルマがモチベーションにつながることも考えられます。
そうでない人にとっては、ノルマは大きなストレスになってしまうでしょう。
薬剤師としての仕事がしたいのになぜ?と悩んでしまう人いるかもしれませんね。
ドラッグストアの薬剤師に向いている人はこんな人!
ここまで、ドラッグストアの薬剤師がきついと思う理由を紹介してきました。
しかし、全ての薬剤師にとってドラッグストアはきつい職場というわけではなく、やりがいを感じる人や向いている人もいます。
ここからは、どのような薬剤師がドラッグストアに向いているのか次のポイントをお話ししていきます。
- 社会人として幅広い仕事を経験したいと思っている人
- 接客業が得意・コミュニケーション能力が高い人
- 体力に自信があってそれを活かしたい人
- 責任感が強く主体的に一人前の薬剤師として活躍したい人
社会人として幅広い仕事を経験したいと思っている人
ドラッグストアで働くことは社会人としてのスキルが身につくことは、すでに説明しました。
病院や調剤薬局で働く薬剤師は、仕事の環境が閉鎖的になりがちです。
ドラッグストアで働く薬剤師は、併設の調剤薬局コーナーでの仕事がメインにはなりますが、コスメなど他の販売部門と協調して売上を伸ばしたりする工夫も必要になります。
このように、他部署と積極的に関わることで、ビジネススキルを身に着けることができます。
これは、ドラッグストアならではの長所といえるのではないでしょうか。
薬剤師だけでなく、社会人として成長していきたいと感じている人には、ドラッグストアはうってつけの職場といえます。
接客業が得意・コミュニケーション能力が高い人
病院薬剤師は、病棟での治療薬の調製が主な仕事ですし、調剤薬局の薬剤師は処方箋調剤、患者様への服薬指導が主な仕事です。
病院でも、調剤薬局でもコミュニケーションを取る相手は限られます。
これに対し、ドラッグストアの薬剤師は、調剤薬局コーナーにくる患者様とのコミュニケーションだけではありません。
OTC商品や、サプリメント等の健康食品、医療機器の販売やその他商品の販売でも、お客様とコミュニケーションをとる必要があります。
ドラッグストアの薬剤師には、一般の接客業と同じくらいコミュニケーション能力が大切なのです。
接客業が得意で、コミュニケーション能力が高い人は、ドラッグストアで輝ける存在になれるのではないでしょうか。
体力に自信があってそれを活かしたい人
ドラッグストアの薬剤師は、他の店員と同様に商品補充などの肉体労働も必要です。
また、開店時間が長く、勤務はシフト制になるため、勤務時間は不規則になりがちです。
そのため、体力に自信がある薬剤師は、ドラッグストアでの勤務に向いているといえるのではないでしょうか。
責任感が強く主体的に一人前の薬剤師として活躍したい人
近年、ドラッグストアは好調な状況が続いており、新店開発が進んでいます。
店舗数が増加するスピードが、薬剤師数の増加よりも早い場合があるため、一人薬剤師の店舗も多くなってきています。
一人薬剤師を嫌がらず、しっかりと業務をこなしてくれる薬剤師は、ドラッグストアでは重宝される傾向にあります。
責任感が強く、主体性を持って業務をこなすことのできる薬剤師は、ドラッグストアで実力を発揮できるのではないでしょうか。
まとめ
ドラッグストアで薬剤師として働くのは、一般的にきついといわれています。
夜遅くまで営業していますし、土日祝日も開いていますよね。
病院や調剤薬局と比べると、勤務時間も不規則になりがちですし、肉体労働も多いのできつい面もあるでしょう。
一人薬剤師の店舗も多いので、大きい責任も伴うはずです。
しかし、ドラッグストアでは、薬剤師としてだけでなく、社会人として大きく成長できる環境があります。
接客業が得意でコミュニケーション能力が高い人は、ドラッグストアでその実力を遺憾なく発揮できるのではないでしょうか。
ドラッグストアの薬剤師はきつい面もあるかもしれませんが、やりがいを感じることができるのならぜひ挑戦してみてください!