「調剤薬局事務をすぐに辞めるのは問題なのかな?辞めていいのはどんな場合なのか知っておきたい!」
調剤薬局事務で働いているけれど、さまざまな理由で辞めたいと思っている人もいると思います。
しかし本当に辞めていいのか、辞めていいのはどんな場合なのかと悩んでしまいますよね。
- 調剤薬局事務をすぐに辞めるのは問題なの?
- 調剤薬局事務を辞めていいのはどんな場合?
- 調剤薬局事務をすぐ辞めない方がいい場合もある?
などいろいろなことが気になってしまうのではないでしょうか。
そこで、今回は調剤薬局事務の現状を解説していきます。
さらに、職場を円満に退職して転職する方法や、すぐに辞めない方がいい場合を紹介しますので、ぜひ参考にしてください!
- 調剤薬局事務は仕事量や残業が多く、マルチタスクが要求されるが給与が安い
- パワハラやセクハラが横行している職場はすぐ辞めた方がいい
- 心身のバランスを崩しかかっている場合も辞めるのをおすすめ
- 辞めるなら直属の上司に伝えるが、退職代行を使う方法もある
- 勤務し始めて間もないなら、辞めるのは時期尚早
- 働きやすく、仕事にやりがいがあり信頼できる上司や先輩がいるなら辞める必要はない
調剤薬局事務の仕事を今すぐ辞めたい!大変だと感じる理由は?
調剤薬局事務は、仕事量が多いわりに給料に反映されないことが多いという特徴があるのです。
また、調剤薬局によっては人間関係が問題になることも多く、調剤薬局事務は様々なストレスにさらされやすいといえるでしょう。
では調剤薬局事務とは何かを説明した上で、仕事が大変と感じる理由にはどのようなものがあるのか、次の内容を解説していきます。
- 調剤薬局事務とは
- 仕事量が多く給与が安い
- 残業になることが多い
- マルチタスクで仕事をこなすことが要求される
- 体調をくずしている患者様との接客が中心
調剤薬局事務とは
「調剤薬局事務」は、調剤薬局内でレセプトを作成したり保険適用の薬に関する手続きなどの事務作業を行います。
患者さんの処方箋を受けとったりする窓口業務や、会計をしたりするなど調剤薬局事務の仕事です。
薬の在庫チェックや点検、発注ををすることもあります。
医療事務と混同されることがありますが、医療事務は病院、医院の窓口での仕事であり調剤薬局事務は調剤薬局での窓口の仕事です。
調剤薬局事務は基本的に資格がなくても行えます。
仕事量が多く給与が安い
調剤薬局事務は仕事量が多く、給料もそれほど高くないので、心身の疲労がたまりやすい傾向にあります。
まず、調剤薬局事務の大変なところは、その膨大な仕事量です。
調剤薬局事務の主な仕事は、前項で紹介した以外にも次のようなものがあります。
- 開局準備
- 薬局内消毒、清掃作業
- 医薬品発注、納品業務
- 処方箋受付
- 保険証、公費受給者内容確認
- 処方箋入力
- 調剤補助
- レセプト請求
- レセプト返戻対応
- レジ締め作業
- 閉局作業
もちろん、薬局によっては薬剤師が対応する業務もありますが、基本的に監査、服薬指導業務以外のすべての業務を行わなければなりません。
そして、これだけの業務をこなしているにもかかわらず、調剤薬局事務の給与はそれほど高くありません。
調剤薬局事務の平均年収は250万円~300万円程度です。
調剤薬局事務は、業務量と給料が見合っていないのではないでしょうか。
給料の面からの不満で辞めたいと思っている人も多いはずです。
残業になることが多い
調剤薬局事務は残業になることも多いといえるでしょう。
特に月初のレセプト請求や、返戻対応は、間違いのないように慎重に業務を進めねばならないので、残業になる可能性が高いのです。
また、処方元の医院やクリニックの診療時間が延びた場合は、調剤薬局も開局しておかなければなりません。
急患等で処方元が営業時間が延びた場合は、薬局も開局しておく必要があります。
その場合は最後の患者さんが来るまで、残業しなければならなくなるのです。
マルチタスクで仕事をこなすことが要求される
調剤薬局事務は、多くの業務を同時進行で行う必要があります。
例えば処方箋を同時に複数人受け付けたとき、処方内容から逆算してスムーズに薬剤師が服薬指導できるように入力する順番を考えるのも調剤薬局事務の仕事です。
処方箋を入力している間に、会計に変更があった場合など、常に今何を優先すべきかを考えて対応する必要があります。
調剤薬局事務は、マルチタスクで仕事をこなすスキルを見つけなければならないのです。
マルチタスクが苦手な人はストレスがたまるでしょう。
体調をくずしている患者様との接客が中心
調剤薬局に来局される患者さんの中には、咳、発熱などの風邪症状を伴う方もいらっしゃいます。
そのため患者さんと接する機会も必然的に多くなる点が大きな特徴です。
調剤薬局事務は、調剤室で仕事をする薬剤師と違い、処方箋の受付業務が重要な仕事になります。
そのため、患者さん経由で風邪やインフルエンザ、新型コロナなどの感染症にかかってしまうリスクは否定できません。
理不尽な元々からだの弱い人や免疫力が低下している人は、体調を崩しやすくなるでしょう。
体調を崩していてイライラしている人、長い間待たされてストレスが溜まっている人も中にはいるため、怒鳴られることもあるかもしれませんね。
調剤薬局事務をすぐやめてもいい?やめた方がいい場合
「調剤薬局事務は、もうしんどい。すぐにやめたいけど、やめてもいいのかな。」
そう考える調剤薬局事務の方は多いといえるでしょう。
業務量とプレッシャーが多いわりに給料が安いため、調剤薬局事務はブラックな労働環境になりやすい職種といえるのではないでしょうか。
ここでは、調剤薬局事務をすぐにやめた方が良い場合を詳しく解説していきます!
- パワハラやセクハラが横行している
- 心身のバランスを崩しかかっている
- 1年以上勤めて現場の実情を理解している
- 円満に転職・退職する方法
パワハラやセクハラが横行している
調剤薬局は狭い職場なので、人間関係が問題になりやすいのです。
特に、調剤薬局ではどうしても薬剤師側の地位が高くなるため、調剤薬局事務に心理的に圧力をかけやすくなります。
男性薬剤師が女性の調剤薬局事務に、パワハラ、セクハラなどを行う事例も多く報告されています。
このような職場は、すぐにでも退職した方が良いでしょう。
心身のバランスを崩しかかっている
調剤薬局事務にかかるリスクは、パワハラやセクハラだけではありません。
調剤薬局事務は膨大な業務をマルチタスクでこなさなければならず、心身の消耗がはげしくなりやすいといえるのではないでしょうか。
また、患者さんの健康を守る仕事でもありますので、処方箋入力のミスで、患者さんの健康被害に発展するケースもゼロではありません。
日々このようなストレスをかかえて働くことで、心身のバランスを崩してしまうこともあるでしょう。
心身ともに疲れを感じてしまう場合は、休職や退職を早急に検討すべきです。
1年以上勤めて現場の実情を理解している
調剤薬局事務は大変な仕事ですが、1年以上勤めると容易にこなすことができるようになるでしょう。
しかし、元の基本給が高くありませんので、昇給もあまり期待できません。
思い切って他の調剤薬局に転職することを考えても良いのではないでしょうか。
1年以上の実務経験がありますので、他の調剤薬局に移ってもスムーズに業務をこなすことができるはずです。
年収などの条件面で、より自分を評価してくれる会社に転職して自分の価値を引き上げるとよいでしょう。
円満に転職・退職する方法
では、あなたが調剤薬局事務を退職すると決めた場合、円満に退職するためにはどうすればよいでしょうか。
やはり、まず直属の上司(調剤薬局の場合は、管理薬剤師)に退職の意思を伝えることが大切です。
調剤薬局事務が退職してしまうと、次に働いてくれる人を採用しなければなりません。
すぐに採用できたとしても、きちんと仕事ができるようになるまでには時間がかかります。
薬局業務を滞らせないためにも、あなたがきちんと引継等を済ませる必要があるのではないでしょうか。
そのため、退職を申し出てから実際に退職できるまでに2~3か月程度かかると考えておくと良いです。
では、パワハラやセクハラが問題となっている場合や、心身のバランスを崩している場合など、直接上司に退職の意思を伝えることが難しい場合はどうすればよいでしょう。
こういった場合は、退職代行業者を使うという方法もあります。
退職代行業者を利用すると費用はかかりますが、上司との面談や会社との連絡などのわずらわしさから逃れることができるので、どうしてもやめたい場合は利用を検討してみましょう。
調剤薬局事務をすぐやめてしまうと後悔する可能性がある場合
「調剤薬局事務はしんどいけど、やりがいはある。やめてもいいのかな。」
そう思う調剤薬局事務の方もいるでしょう。
仕事にやりがいがあったり、人間関係にも不満がなかったりするのであれば、もう少し続けてみるのも一つの方法です。
ここからは、調剤薬局事務をやめてしまうと後悔する可能性がある次のようなパターンについて解説していきます!
- 勤務し始めて間もない
- 仕事内容自体にはやりがいを感じている
- 育児中や介護中などでも働きやすい
- 信頼できる上司や先輩がいる
勤務し始めて間もない
調剤薬局事務は大変な仕事です。
覚えることも多く、なかなか上手に仕事ができずに悩んでしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし、一生懸命仕事に向き合えば慣れてくるはずです。
調剤薬局事務は、病院の受付と同じように人気のある職種で求人を出すと応募者が殺到することが多いのです。
せっかく採用されたのに、すぐに辞めてしまうのはもったいないのではないでしょうか。
また、短い職歴は次の仕事を探すときに、この人は忍耐力がないと採用側に敬遠されてしまうこともありえます。
よほどひどい労働環境でない限りは、勤務し始めて間もない退職は控えた方が良いでしょう。
仕事内容自体にはやりがいを感じている
業務量が多く、給料も高くはない調剤薬局事務の仕事ですが、やりがいを感じることも多いです。
いつも処方箋を持ってきてくれるおばあさんに感謝されたり、可愛いお子さんにありがとうと言われたりすると、とてもやりがいを感じるでしょう。
また、正確で素早い仕事ぶりを薬剤師から称賛されるとやりがいにつながります。
地域医療を支える縁の下の力持ち的な存在の調剤薬局事務は、なくてはならない仕事といえるのではないでしょうか。
大手調剤薬局チェーンでは、調剤薬局事務が出世する場合もあります。
もともと調剤薬局事務は、マルチタスクで業務をマネージメントするスキルが身につきやすい職種です。
そのマネージメント力を評価されて、エリアマネージャーなどの高い地位につく調剤薬局事務もいますし、経営に参画する場合もあります。
調剤薬局グループに上を目指す事のできる環境があれば、調剤薬局事務のやりがいにつながるでしょう。
このように、調剤薬局事務の仕事にやりがいを感じるのであれば、辞めるべきではありません。
育児中や介護中などでも働きやすい
すごく給与がいいわけではないものの、育児中や介護中の人が働きやすい環境の職場ならすぐ辞めない方がいいでしょう。
家庭の事情で早退や遅刻があっても理解が得られる職場だと、働きやすさが断然違います。
そのことによるパワハラもなく、嫌味も言われないなら辞める必要は特にないはず。
仕事に慣れなくてストレス、という場合も時間が経てば解決していきます。
育児や介護をしながら働くのは大変ですが、理解ある職場は辞めるのはもったいないですね。
信頼できる上司や先輩がいる
調剤薬局は狭い職場です。
同じ薬局内にパワハラ、セクハラが横行するようなところであれば調剤薬局事務を続けるべきではありません。
しかし、管理薬剤師や他のスタッフが人間的に優れて、信頼できる人ばかりなら辞める必要はないでしょう。
スタッフ皆の仲が良くて、お互いに信頼しあえる薬局はそう多くはありません。
まとめ
ここまで、調剤薬局事務の現状について説明してきました。
業務量が多く、マルチタスクで仕事をこなすスキルを求められる調剤薬局事務は大変な仕事です。
それだけ大変な仕事であるにもかかわらず、調剤薬局事務の給料は高くないのが実情です。
調剤薬局は狭い職場で、薬剤師の方が地位が高いこともあり、調剤薬局事務はパワハラ、セクハラの対象になりやすいともいえます。
そのため心身のバランスを崩しやすく、このような場合はすぐに退職を検討しましょう!
また実務経験が1年以上になった場合は、より条件のよい他の調剤薬局に転職するという方法も検討しましょう。
ただし、勤務し始めて間もない場合は、早急な退職はやめるべきです。
調剤薬局事務の仕事にやりがいを感じていたり、働きやすく人間関係が良好な場合だったありする場合も退職すべきではないでしょう。